偏執後記1

 
さて、作業に追われる日々だったので少し休みたいなと思いつつ
でも熱のさめないうちに「あとがき」のようなものを残しておきたいと思います。
しばらくおつきあいください。

振り返れば暮れと正月の一週間を除いてここ一ヶ月このコミックの作業を
継続的にやってこれたことが、自分にとってはひとつの目標クリアになりました。
それを助けてくれたツールが音楽です。

今回のお話は題がオーバーフロー、水に関連する話ですね。
長い連載になると「調子」が統一しにくいものなのですが、
それを乗り切るのに私は音楽を使います。
今回の話を無理やりに二分すると

1、茶髪くんが黒髪くんに対する恋愛感情のめばえを自覚する
2、茶髪くんが過去の呪縛からようやく抜け出すための準備をする

この二つのトーンが1はやや明るく2はやや暗くなります。
それを交錯させて描くので気持ちの切り替えがすばやくできるように
1が海ねこ、2がThe water is wide と作業用BGMを決めて描きました。


海ねこ

The water is wide

海ねこは本来は失恋ソングだと思いますけどw 
でも聴きようによっては「はじめからこうなるとわかってたのに」が
恋に落ちた自分を発見している歌詞にも聞こえるなと。

The water is wide はアイルランド民謡がもとになっていて
たくさんのバージョンが存在します。歌詞も一様ではないみたい。
わたしは下の部分が気に入りました。
今回の話で登場するビルオーナーの妻(黒髪くんの叔母)の
嘆きとかさなってきこえて、水のイメージとともにピッタリだなと。

There is a ship and she sails the sea
She's loaded deep as deep can be
But not as deep as the love I'm in
I know not how I sink or swim

海をゆく船が
荷で沈むより
愛はなお深くて

沈もうにも泳ごうにも
ままならないの

このバージョンが歌詞入りでしたので掲載しましたがほんとうはヘイリーさんの声が好き。
よかったらyoutubeで聞いてみてくださいね。